えぐちです。
2次試験までいよいよあと17日です。どきどきしますね。
今日は前回に引き続き事例Ⅱの話です。
事例ⅡではこれまでのB社の戦略の情報整理と、今後の戦略についての助言問題がでますが、 実際に出題された問題で、「差別化」を意識する必要があった助言問題はどれくらいでてると思いますか?
ここでは情報整理問題はのけといて、助言問題だけを取り上げてみます。
まず、過去の助言問題の出題実績は 次の通りとなります。
年度のカッコ内は助言問題の数で、設問のカッコ内のマル(〇)は、差別化が求められた問題です。
平成29年度(3つ)
第2問(予約会)、第3問(シルバー世代)、第4問(子育て世代)
平成28年度(4つ)
第2問(製品戦略、プロモーション戦略)、第4問(ブランド戦略、マーケティング・コミュニケーション)
平成27年度(5つ)
第1問(誘致サービス業、〇マーケティング戦略)、第2問(イベント)、第3問(◎誘致小売店、イベント企画)
平成26年度(3つ)
第2問(コミュニケーション戦略)、第3問(出汁分析)、第4問(新商品開発)
平成25年度(3つ)
第2問(パッケージ)、第4問(ネット販売、コミュニケーション戦略)
平成24年度(2つ)
第4問(マーケティング・アクション)
平成23年度(3つ)
第2問(ターゲット)、第3問(市場浸透戦略)、第4問(サービスリカバリーシステム)
平成22年度(0)
平成21年度(4つ)
第2問(ターゲット)、第3問(新サービス、共同事業)、第4問(コミュニケーション戦略)
平成20年度(4つ)
第4問(既存向けプロモーション戦略、新規向けプロモーション戦略)、第5問(新規事業2つ)
助言問題31問、差別化問題2問
平成19年度(3つ)
第1問(◎品揃え戦略)、第2問(売上拡大策)、第3問(◎流通活動)
平成18年度(2つ)
第4問(◎差別化戦略)、第5問(新規事業)
平成17年度(2つ)
第2問(相乗効果策)、第5問(顧客関係強化策)
平成16年度(3つ)
第1問(〇品揃え戦略)、第4問(会員カード発行)、第5問(掲示板活用)
平成15年度(2つ)
第4問(自社ブランド、会員組織構築)
平成14年度(6つ)
第3問(品揃え戦略、サービス、シェフ活用)、第4問(情報活用、プロモーション戦略)、第5問(プレゼント特典)
平成13年度(1つ)
第4問(マーケティング戦略)
助言問題19問、差別化問題4問
過去17年間の出題のうち、助言問題は50問出題されましたが、うち差別化を意識した問題は6問でした。
6/50問、12%です。
平成20年度以降は 2/31問、6.5%です。
念のため、出題の趣旨を確認しましたが、趣旨に「差別化(もしくはこれに準じる)」と表現した問題は、5問しかありませんでした。
上記の二重マル(◎)がそうです。
これはいったいどういうことなんでしょう?
結論を書く前に、「差別化」とは何かを簡単に説明します。
それは、「競合と異なる戦略」ということです。
具体的には、
製品 競合:フルラインの品揃え B社:狭くて深い品揃え
価格 競合:安く B社:高く
チャネル 競合:広く B社:狭く
プロモーション 競合:プル B社:プッシュ
といったふうに、競合が採用していない手段を選びます。
この差別化問題が、事例Ⅱではほとんど出てないんですね。意外でしたか?
さらに驚きの事実があります。
平成13年度以降の試験で、B社の競合先が中小企業である設定の問題は0問です。
そう、永遠のゼロです。
事実は小説よりも奇なりといいますが、まさに事例Ⅱにぴったりの言葉ですね。
唯一、平成28年度第4問のブランド戦略の問題では、 「昨今の多くの中小しょうゆメーカーではインターネット販売を展開している。B社もまた、新規事業として直接、最終消費者に対するインターネット販売に乗り出したいと考えている。」 という設定がありましたが、彼らの具体的な資源の根拠はありませんから、差別化しようがありません。
でははたして、事例Ⅱでは何を根拠に助言すればよいのでしょうか?答えは簡単、
「リソースベースで答える」
ということです。
B社の現有資源を有効活用できるように助言すればよい、ということになります。
そして、この経営資源にはさらに秘密があるのですが…これ以上はひみつです。