2次試験で求められる応用能力について(その1)

えぐちです。

今日は、2次試験で求められる応用能力について書きたいと思います。

前のブログで、今年度の2次試験が難化した最大の要因は「設問解釈の難しさ」であると書きました。

そして、2次試験で問われる本質は変わらず、「設問解釈力の強化」が令和2年度の対策に有効であると書きました。

このことを書く前に、まず2次筆記試験で求められる中小企業診断士の応用能力の定義を再確認します。

以下、試験要綱からの引用です。

第1次試験は、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」に基づき、中小企業診断士となるのに必要な学識を有するかどうかを判定することを目的とし、筆記の方法により行います。

2次試験は、「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」に基づき、中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定することを目的とし、中小企業の診断及び助言に関する実務の事例並びに助言に関する能力について、短答式又は論文式による筆記及び口述の方法により行います。



2次筆記試験では「応用能力」が求められ、1次試験では「学識」が求められます。

つまり、2次筆記試験は「学識の応用」が求められる試験という解釈になります。

1次試験で出題される「学識」は、一般論やトレンド知識が問われることはほとんどなく、出題の中心は「理論」となっています。

1次試験ではポーターやバーニー、スティーブンロビンス、伊丹敬之などの経営学者の書籍を根拠に出題されます。

「大塚家具がヤマダ電機の資本を受け入れた理由」「FRBがQE4に踏み切らざるを得ない理由」といった知識は問われません。

問われる「学識」とは「理論」であり、実務的・応用的な知識の発揮は期待されません。

2次筆記試験は「応用能力」が求められますが、それは上記「理論」の応用という解釈になります。

このため、理論で定義・記述することができない解答は期待されません。

つまり、2次筆記試験は1次試験で問われた理論の応用能力が求められる試験ということになります。

上記前提の元、2次筆記試験で問われる本質は変わらないことについて解説します。

そのために、以下の2つの設問を解釈し、期待される応用理論が何かを想定し、必要な知識を挙げてみてください。

事例Ⅰ第1問

 A社は機能別組織を採用しているが、A 社長は、今回、組織再編を経営コンサルタントの助言を熟考した上で見送ることとした。その最大の理由として、どのようなことが考えられるか。100 字以内で答えよ。

事例Ⅰ第2問

 A社では、機能別組織を採用している。この組織構造の利点を3点、それぞれ15字以内で述べよ。



どちらの問題が難しく感じますか?それでは次の2つの設問でも同様に取り組んでみてください。

事例Ⅱ第1問

 B 社社長は減少するであろう顧客分を補うため、協業を通じた新規顧客のトライアルが必要であると考えている。どのような協業相手と組んで、どのような顧客層を獲得すべきか。理由と併せて 100 字以内で助言せよ。

事例Ⅱ第2問

(a)既存ブランド「enigme」と(b)新規ブランド「petite enigme」において、B社が重要視した市場細分化変数(市場細分化の基準)は何か。

どちらの問題が難しいでしょうか?さらにもう2問続けます。

事例Ⅲ第1問

 X社から求められている新規受託生産の実現に向けたC社の対応について、以下の設問に答えよ。

(設問1)

 C社社長の新工場計画についての方針に基づいて、生産性を高める量産加工のための新工場の在り方について120字以内で述べよ。

(設問2)

 X社とC社間で外注かんばんを使った後工程引取方式の構築と運用を進めるために、これまで受注ロット生産体制であったC社では生産管理上どのような検討が必要なのか、140字以内で述べよ。

事例Ⅲ第2問

(設問1)

 中小企業診断士であるあなたは、生産部門において発生している問題点や受注状況の変化などを踏まえた生産計画に関する提案をC社から求められた。生産計画に関して、最も重要だと考える提案を1つ挙げ、その内容を200字以内で説明せよ。

(設問3)

 C社の生産現場で生じている問題点を踏まえ、C社における作業管理上の改善案を1つ挙げ、具体的な改善手順とともに200字以内で説明せよ。

解説は明日のブログで行います。

ぜひ取り組んでみてください。




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