1次試験は7月受験予定で

えぐちです。

緊急事態宣言が解除され、6月に入り経済活動がとりあえず正常化されました。

予想通り、地域により感染再拡大の兆候が見えていますが、自粛解除の当然の結果であり、想定内といえます。

今年の診断士1次試験は7月11日、12日開催予定となっていますが、診断協会の最終情報は、3月30日で、この時点では「予定通り開催」となっています。

https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/010_c_r02_shiken/R02_oshirase.html



新型コロナウィルスの影響により各国家試験の延期が相次いでいるため、今年1次試験を受験される方は予定通り開催されるか、延期されるのかでなかなか学習に集中できない方も多いと思います。

そのため、今日は今年の診断士試験スケジュールについての私見を述べたいと思います。

結論を先に述べますと、今年の1次試験は「7月予定通り開催」だと考えています。

その理由について書きます。

理由1.各国家試験の開催事情

6月1日現在、年に1回だけ開催される主だった国家試験の実施予定は以下のようになっています。

5月開催

資格名当初実施日変更実施日情報更新日
不動産鑑定士5月10日延期早くても7月以降5月18日
司法試験5月13日延期8月12日5月15日
弁理士5月17日延期9月20日 6月1日
公認会計士5月24日延期8月23日 6月1日

7月開催

資格名当初実施日変更実施日情報更新日
司法書士7月5日延期開催日未定5月18日
中小企業診断士7月11日・12日実施予定通り実施3月30日

8月開催

資格名当初実施日変更実施日情報更新日
税理士8月18日~20日実施予定通り実施4月13日
社会保険労務士8月23日実施 予定通り実施6月1日



5月開催予定で延期された資格のうち、司法試験と公認会計士試験が8月開催を確定しています。

また当初から8月開催予定の税理士・社労士試験も実施予定であることから、8月の試験開催は「問題なし」という政治的判断がされていると解釈できます。


診断士と同月開催予定だった司法書士試験の延期後の日程が決まっていませんが、これは受験申込期間中に申込受付を停止していること、2ヵ月前に実施予定だった司法試験(おなじ法務省管轄)の運営を優先させる意図で実施日が確定していないものと考えられます。

おそらく司法書士試験は10月開催になると思います。

緊急事態宣言が解除された現在、政治的には7月開催と8月開催に大差はありません(解除されれば必ず感染は拡大するため)。

感染拡大を想定しつつ、司法試験や公認会計士試験で8月リスケを決定していることから、「解除後はロックダウンレベルの感染拡大がない限りは実施可」と考えられるため、7月予定通り開催という判断が可能です。

理由2.経済産業省関係の開催事情

5月29日公表により、IPA(経済産業省管轄)が主催するITパスポート試験が6月5日より全国再開されることが決まりました。

https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html

コロナ感染対策を万全にしたうえで実施するとのことで、かなり気合入ってます。

おそらく診断士試験も同様の対策で開催される予定だと思われます。

理由3.経済的(政治的)事情

緊急事態宣言が解除されて1週間が経ち、本格的に経済活動が再開されたことで、国内感染者は増加しています。

東京都の指標を見ても芳しい数値とは言えませんが、指標通りに警戒レベルが上がっているわけでもありません。

数値はあくまでも参考であり、施政者が「総合的に判断」するわけですから、判断する側の事情が多分に含まれます。

ここで議論する話ではありませんが、そもそもロックダウンすればいいのかということもあり、すでに私たちが経験してきたように、自粛=自滅につながることから、政治的理由により、よほどのことがない限り緊急事態宣言の再発令はないと思います。

以上3つの理由により、今年の診断士試験はロックダウンでもないかぎり「予定通り開催」されると思います。

すでに延期した各国家試験が全国の試験会場を抑えているため、8月延期も現実的でなくなりました。

そもそも7月を8月に変えても感染対策上の効果はありませんが。


感染拡大懸念について

楽観視するつもりは一切ありませんが、「コロナ第一波」に関してだけ言うなら、今後の感染爆発はないと思います。

えぐちは1月に武漢での感染が報道されてから、わりと早い時期にコロナウィルスの国内感染拡大を懸念していました(2月開催予定だった合格祝賀会は延期させていただきました)。

その強い感染力から国内でも5月には数千万人が感染するだろうと考えて警戒していたのですが、結果はそうなりませんでした。

世界でも有数の通勤ラッシュ大国日本で、爆発的な感染拡大が起きなかったという「結果」から、このウィルスの感染力には強い持続性が認められないのではないか(もしくはウィルス活性化には特定の外部作用が関係しているのではないか)と考えるようになっています。

満員電車と比べて、試験会場は人と人との距離をコントロールできる点で環境が大きく異なります。

当然ですが、試験中の私語は厳禁ですから3密要件を満たしません。

懸念されるのは休憩時間のトイレだけですが、おそらくここも私語厳禁としたうえで感染対策を講じるものと思います。

もちろん、手洗い、マスク、消毒液など、予防対策は個人レベルでも十分に行ってうえで会場にいくようにしてください。

トイレは人がたくさん集まるため、携帯用の消毒液や使い捨てのペーパータオルをいまのうちに確保しておくようにしましょう。

7月開催のつもりで残りの時間を過ごそう

長くなりましたが、今年1次試験を受験予定される方は、予定通り、7月11日・12日に試験が開催されるつもりで勉強しましょう。

試験まであと40日を切りました。

残された時間を、どの学習に充てるのかを明確にしてください。

これからの時期は「学習範囲を絞り、発揮できる知識を磨く」ことが得点力強化に有効です。

あいまいで理解が不十分な知識は試験では荷物になりますから潔く捨てて貴重なメモリーを使える知識に使いましょう。

今年は財務会計が難化し、民法は得点源になる

すでにこのブログで書いていますが、今年は7科目のなかで財務会計が要注意科目になります。

財務会計が難化する時は、だいたい細かい会計理論や簿記仕訳問題が増える傾向にあります。

原価知識や本支店会計、為替手形などの過去問をしっかりチェックしておきましょう。

足切りがこわいという方、心配無用です。

今年は保険受験生が激減するため、1次試験の平均点は例年よりも低くなります。

このため、財務会計が難化したとしても、足切り救済の可能性は例年よりも高くなると思います。

決しておそれずにできることに集中してください。



また大改正された民法ですが、奇しくもどの国家試験よりもまっさきに診断士試験で実施されることになりました。

とはいえ、大改正された民法では「判例問題」が作れないため、「条文問題」が中心になります。

その意味で、今年の民法は得点源になる年です。

改正論点をしっかりとインプットしましょう。

今年の診断士試験は、まちがいなく、これまでのどの年よりも「集中力の維持」が求められる試験でした。

当日の発揮能力上に、この半年をどのように過ごしてきたのかが覿面に現れる試験になると思います。

その意味で、気持ちの強さを磨いてきた方が勝ち得る試験になると思います。

まだ40日もあります。

決してあきらめず、いまできること、やるべきこと、やるべきでないことを明確にしたうえで、しっかりと計画して学習しましょう。

これからでも十分に「原因」をこしらえることができます。


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