えぐちです。
土日に1次試験が実施され、13日には診断協会から正解と配点が公表されました。
すでに多くの方が自己採点をされているかと思います。
今年の1次試験は全体的に昨年同様バランスのよい難易度の問題でした。
平成30年度の経営法務足切り救済(弾力化)以後、2年間の1次試験は難易度調整のやり方を抜本的に見直したと考えられます。
今年の1次試験は、運営管理と経営法務の難易度が相対的に高めですが、弾力化はないと思います。
その理由は、上記に書いたように、診断協会側が「40点確保のための問題」を意図的に埋め込むことで、特定科目の平均点の極端な低下を防ぐ設計を採用しているからです。
今回は、令和2年度の経営法務を使って解説していきたいと思います。
1.設問構成
①民法大爆発
今年の試験は、大改正された民法が全体の約4割と大量に出題されました。
そして出題されたテーマは昨年に先に改正された相続を除き、全問で改正内容が論点となりました。
このため、改正民法を「捨て問」とした受験生は残り16問で最低10問取らないと足切りになるという厳しい年になりました。
②原点回帰の会社法
会社法は6問で、出題数は変化ありませんでした。
しかし、「設立(平成23年以来)」「機関設計(平成28年以来)」など、ここ数年出題されなかった領域から数問出題されました。
機関設計はサービス問題でしたが、発起設立の対応は難しいです。
③安定の知財法
知財法は8問と、こちらも例年通りでした。
また得点しやすい問題が多く、この領域の得点力が差を生みます。
意匠法を中心とした改正は令和3年度試験に持ち越しのようです。
④その他は英文契約だけ
なんと珍しいことに、民法・知財・会社法以外からは英文契約だけが出題されました。
2.難易度評価
つぎに領域ごとの難易度を評価します。
得点可能問題は13問(52点)ありました。
また2択まで削れる問題が3問(12点)、得点困難問題は9問(36点)でした。各設問ごとの評価は個別に解説します。
相対的には知財法で得点しやすい問題が多いことがわかります。
この傾向は昨年度と変わりません。
また、民法は難易度の高い問題が多くなりましたが、3問に1問は得点可能であることもわかります。
3.救済防止用問題
今年の法務も難易度が高い問題でしたが、必ず10問(40点)は確実に得点できる設計になっています。
以下の問題は基本的な知識で、かつ論点も平易な問題であり、確実に得点できなければいけない問題になります。
おそらく大手スクールのデータリサーチでもこれらの問題の正答率は高くなると思います。
4.傾向変化からみる来年度の経営法務対策
会社法はひさびさに設立問題がでましたが、来年は再び株式や資本金系の問題や組織再編・倒産法制の問題が出題されると予想できます。
設立は「公告方法」「払込金保管証明」あたりを抑えておけばよいと思います。
そして来年は意匠法中心の知財改正問題が出題されますので、今年同様得点源となります。
加えて、改正民法も今年出題されなかった論点からの出題が予想できますので(つまりテーマがある程度絞れるため)、今年の難易度に近い、ある程度深い論点まで掘り下げて学習することが可能です。
来年も遠慮なく民法から大量に出題されますので、今年「捨て領域」としてしまった方は来年こそしっかり対策をとってリベンジしましょう。
来年の得点目標は以下のようになります。
出題テーマと論点がほぼ出尽くした会社法は6割取り、知財法は改正論点を含めて得点源にし、改正2年目の民法はテーマを絞って4割取る。
かなり現実的なプランです。
ちなみに知財法が苦手な方、勉強のやり方変えれば絶対に得意になりますので苦手意識や先入観はなくしましょう。
もちろん民法も、ちゃんと理解できると楽しくなりますよ。
法務に苦手意識をお持ちの方は、EBAの1次対策、法務のみで活用を検討してみてください。
次回は、経営法務の問題をすべて解説していきます。
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