江口です。本日、令和3年度2次試験の結果が発表されました。
https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/010_c_r03_shiken/R03_2ji_hikki_goukaku.html
申込者数 9,190人
受験者数 8,757人
合格者数 1,605人
合格率 18.3%
令和3年の1次試験後の予想は以下の通りです。
https://www.ebatokyo.com/news/4754
受験者数、合格者数ともに過去最大となりましたが、合格率は例年通りでした。
ここ数年で受験者数はかなり増加してるなかで合格率はほぼ変わりないことから、相対評価の試験であることが確認できます。
合格された方へ
令和3年度試験もとても難しい試験でした。
特に数回目の挑戦となった方は、学習を重ねることで実力がついた実感をもつ一方で、これまで費やした努力を試験当日に発揮しなければという重圧や、自分が合格できるのだろうかといった不安に襲われ、初めて受験したときとは違う感情を抱えてこられたと思います。また応援してくれる同僚や上司、支えてくれる家族など、自分自身のための挑戦に多くの方を巻き込んでしまっていることに後ろめたい気持ちを抱くこともあったかもしれません。それは受験仲間でも共有できない、自分だけがもつ鈍い感情です。
合格発表当日、自分の受験番号を見つけた時の気持ちは、言葉で表現することはできません。
12個並んでいるだけのただの数字にこんなに感動できるものなのか。いつまでも噛み締めることができます。
1年に1度しかない試験を諦めずに継続することはとても困難なことだったと思います。
「もう1年」「今年こそは」という気持ちを支え続けることは本当に苦しいことだったと思います。
そのような苦しさに負けず最良の成果を勝ち得たことに、心からお喜び申し上げます。
惜しくも不合格となった方へ
現実を受け入れることは、とても困難なことです。
今はさまざまな思いが錯綜し、気持ちを整理できないと思います。自分を肯定できない。
この感情は初めてでなくても慣れるものでもありません。やはり、普段の自分を取り戻すためには時間が必要です。
今年は発表が遅れたことで十分な時間がないように感じてしまうかもしれません。
周囲にはすでに学習を再開している人がいるかもしれませんが、だからと言って自分もすぐに行動すべきだとは思いません。
本来、資格を取得するという感情は、自分を鼓舞し、高めたいと求める自然で前向きな感情の発露です。
腹の底から湧き出てくる情動が長い受験期間を乗り越える精神を支える活力になります。
しかし挫折はその活力を一時的に奪います。なぜそうなるのかはわかりませんが、私たちに自省を促し、内面を強化するために用意された機能なのかもしれません。
心が止まるように作られているのなら、その機能に従ったほうがよいと思います。
私は昨年11月、受験後はゆっくりとした時間を過ごしてくださいと書きました。
多くの時間を我慢と緊張に割いてきた自分の心の調整のため、さらには自身を支えてくれた周囲への感謝のための時間をもつことを提案しました。
一方、いま必要な時間は自省のために必要な時間です。自省といっても不合格になった原因を回顧するための時間ではありません。
なりたい自分の理想像や、この資格の学習を通じて変化したものや得たこと振り返り、評価し、できるのならそれらを肯定する時間です。
私たちは機械ではないので、合理的にすべての事象を整理し受け止めることはできないし、必要ないと思います。
難しくあれやこれやと考えずに、ゆっくりする時間を持ってみてはいかがでしょうか。
といっても仕事が忙しくて何もしないでのんびりというわけにはいきませんが、1日の中にほんの30分でも、10分でも、自省する時間を取るように意識してみてはどうでしょうか。
スタートを切るのはいつでも遅くはないですし、スタートを切ること自体、自分の選択です。たとえ診断士とは異なる世界に目を向けたとしても、これまでの経験が必ず生きています。
満足できるまで休んで、もし、また診断士に挑戦したいと思ったら、そのときはもう迷わないでください。
合格できる自分をデザインし、また挑戦しましょう。何度も経験したあの緊張も重圧も飲み込んで、今年必ず合格しましょう。