江口の一問解説 No.2 〜事例1 解答編〜

EBA中小企業診断士スクール 統括講師の江口明宏です。​
今回は、前回の問題について考察していきましょう。

事例Ⅰ 第4問(配点20点)
A社は、全国市場に拡大することでビジョンの達成を模索しているが、それを進めていく上で障害となるリスクの可能性について、中小企業診断士の立場で助言せよ。100字以内で答えよ。

上記設問の解釈による、解答構成は

1.リスクの可能性(②課題や問題点の指摘)
2.助言(④助言)

となります。EBAの解答は以下となりました。(1行20字)

A社は主力商品に依存しており独自の商品開発経験も自社店舗による直接販売経験もない。
人材の確保や育成を図り全国市場で戦える新商品開発を進め、地元での高い認知度を全国的な認知度に拡げ首都圏出店の夢を実現する。

上記構成は、

1.③課題や問題点の原因の指摘
2.②課題や問題点の指摘
3.④助言
4.⑤助言による効果の指摘

です。とくに2および3が重要です。

次に、診断協会が公表した出題の趣旨を紹介します。

地域ブランドとして優位性をもつ主力商品の全国市場への展開がもたらす問題を分析し、それに対して適切な助言をする能力を問う問題である。

どうでしょうか?解答構成上、②課題や問題点の指摘と④助言が求められていることがわかりますね。

解答として何を表現するかは重要ですが、それ以前に出題者が意図する解答構成を正確に捉えることはさらに重要です。
なぜなら、出題者は適切な解答構成に基づいて、構成内の要素(内容)について評価していると考えられるからです。
たとえば上記の問題で、出題者の意図が「課題と助言」であるのに、あなたの解答が「課題」だけだとした場合、配点20点のうち最大で何点まで取れると思いますか?

適切な設問解釈は2次試験を学習する際の基本であり、最も重要な要素だと認識しましょう。