2次試験で試される力

えぐちです。

週末に1次試験を受験された方、お疲れさまでした。

連日の猛暑の中での受験は体力・気力・精神力など、受験勉強中に鍛えていない要素が影響するため、実力を発揮することが困難です。そのような中でこの2日間を乗り切れたことをどうか誇りに思ってください。

今年の1次試験は昨年の結果を踏まえ、想定通りの難易度となりました。

科目ごとの詳細な評価は改めてここで書きますが、「対策しようのある難易度」の試験となったことはこの資格にとって望ましいことだったと思います。すでに7科目のうち3科目で足切り救済(平成25年、28年、30年)が実行されている事実から、試験委員が1次試験合格者の調整に非常に苦慮している様子が窺えます。

60分科目で足切り救済をしていない科目は財務会計のみとなりました。問題数の多い90分科目は相対的に救済発動の可能性が低くなるため、令和2年度試験は財務会計対策が重要になると考えます。

1次試験が終了し、いよいよ2次直前期に入りました。10月20日までの11週間をどのように活用するのか、あなたの資源配分の能力が試されます。

診断士2次試験では、以下の能力が試されます。

この中で最も重要な能力は設問解釈時の「想定力・解釈力」です。この精度が80分の出来を決定付けます。これから初めて2次試験を学習する方は、平成25年以降の過去問を使って毎日鍛えましょう。

11週間という短期間で合格答案を作成するための力を身に着けることは簡単ではありませんが、これまで1次試験対策をしっかり学習された方は。「1次理論」という強い武器がありますので、この武器を強みとして活かしてください。

1年間2次試験対策をしてきた方と比べて、有意に差がつく能力は「編集力」です。これは毎日訓練することで確実に力をつけることができますので、これからの75日間、毎日15分ずつ必ず訓練しましょう。

具体的な訓練方法は、インプットしている1次理論を50~60字程度で記述する方法が有効です。以下のような要求に、1次知識を使って答えてください。

例題1)部品共通化のメリットについて60字以内で述べよ。

例題2)最終消費財市場と中間財市場の違いについて、60字以内で説明せよ。

例題3)B社が贈答用商品を販売する狙いについて、60字以内で述べよ。

例題4)在庫問題を解消するための生産管理面の対策について、60字以内で述べよ。

1次試験は「選ぶ試験」なので、選択肢が与えられれば選択することができます。しかし、2次試験は「想定し、選び、記述する試験」です。1次理論が想定できない場合、何も書けなくなります。このため、1次試験対策で学んだ理論を、2次試験で使えるように進化させる必要があります。「毎日書く」ことの積み重ねは、必ず11週間後に実感できます。

EBAでは2時直前対策コースを用意しています。内容は、こちらよりご確認ください。

・直前講義2回6時間
・演習3回転(全12事例)
・模擬試験1回
・最終講義4回12時間

です。演習問題では今年の1次試験問題も反映しますが、合否に影響するのは、「確実に記述できる1次理論に基づく解答」です。直前講義で解説したうえで、「書ける力」を中心に鍛えていきます。短期間で合格答案が作成できる能力を鍛えたい方はぜひ参加してください。

上記で紹介した記述訓練のお題も、毎日配信していますので、過去分(昨年12月19日から230問)も含めてキャッチアップしてください。(※対象コースは、2次集中コース・2次直前集中パックのみです)

なお、記述訓練のみ受講できるサービスを今年9月から開始する予定です。(※詳細は確定次第ご案内します)

毎日お題と解答例、解説を配信します。EBA直前コースを受講できない方はこちらを活用してください。

今日は少しだけ直前講義の内容を紹介します。以下は、ここ6年間の事例Ⅰの1問目・2問目の出題実績です。

上記の通り、1問目・2問目すべて情報整理問題となっています。

※情報整理問題 1次理論や与件文を使用して、設問の意図に合致したA社の経営戦略を整理する問題で、出題の趣旨による分類では「基本的理解力・分析力」が問われる問題。

実は平成25年の1問目は、「どのような点に留意して事業を組み立てていくことが必要であるか」という設問から、助言問題であると解釈できるのですが、出題の趣旨では「助言能力・提案力」ではなく、「基本的理解力・分析力」を問う問題であったと明記されたことから、この問題も情報整理問題と分類できます。

さらに、これらの問題を経営戦略論に沿って分類すると下表のようになります。

表からわかるように、1問目はドメイン、2問目は保有機能がテーマとなることが多いです。上記のような設問が多くなる理由は、中小企業であるA社にとって、競争優位性を構築するためには経営資源の効率的活用が求められ、そのために①生存領域の特定と②自社内における保有機能の決定が重要になるからです。

平成30年の問題は、ドメインの問題でも、平成28年や平成27年とは異なる論点の問題となりました。平成28年や平成27年ではコア技術の多重利用をテーマとしていますが、平成30年では市場規模の選択によるコア技術の育成がテーマとなっています。

同様に、平成30年の保有機能の問題も、平成29年や平成25年とは異なるテーマとなりました。平成29年や平成25年は、非正規社員の活用をテーマとした業務効率化(そのための外部化)・自動化をテーマとしているのに対し、平成30年では市場と必要機能との関係から、A社が最終消費財市場を選択しない理由を問う問題となっています。
これらは、2次筆記試験の進化(変化)と捉えるべきで、今後の対策が必要となります。

このような知識を予めもつことで、出題者の意図をくみ取った解答作成が可能になります。
講義では、過去問やEBAの演習問題を使用して、これらの分類および具体的な編集方法について解説しています。その上で、演習問題を繰り返すことで意図した解答が作成できるように鍛えていきます。

今年は募集定員の関係で2次直前対策のガイダンスは開催しません。受講を検討される方は、体験受講ができますので、お問い合わせください。詳細はこちら。

今年の夏も猛烈に熱くなりそうです。あなたが投資したこの資格は、あなたの期待に応える価値がある資格です。迷うことなく前に進みましょう。夏が終わり涼しくなる頃に、あなたが確実な力を実感できるように、全力でサポートします。