えぐちです。
1次試験が終わりはや4日が経ちました。
自己採点をして1次通過を確認された方は2次試験に向けて重い腰を上げたころかと思います。
2次筆記試験は中小企業診断士の応用能力が問われます。この応用能力は、具体的には設問文や与件文に記述されている根拠から、特定の1次理論を想定・解釈する能力と言い換えることができます。
今日は2次の応用能力について、もう少し詳しく見ていきましょう。
つぎの表現から、あなたは何が想定できますか?
【設問文】
・研究開発型企業であるA社
・相対的に規模の小さな市場をターゲットとしている
・最終消費者に向けた製品開発にあまり力点を置いてこなかった
・金銭的・物理的インセンティブの提供以外
【与件文】
・約50名の社員のうち、技術者が9割近くを占めている
・後進に事業を委ねる条件が整うまで
・専門知識を有する技術者をほぼ同数配置した混成チームとした
・戦力である技術者に新卒者を原則採用せず、地元出身のUターン組やIターン組の中途採用者だけに絞っている
上記の表現は、いずれも出題者が「中小企業診断士の応用能力」を期待して使用した表現(ヒント)です。これらの表現から、1次試験で学んだ経営理論を活用してA社の戦略や課題などを想定する能力が期待されています。 例えば、上記の表現から、出題者が期待する解釈を紹介すると、以下のようになります。
上記のような理論想定ができなかった方は、しっかりと1次試験で学んだ理論を見直しましょう。これらの知識が「記述できる」レベルでないと、2次筆記試験は通過できません。
また、この「中小企業診断士の応用能力」ですが、1つの理論を想定・解釈するために、
設問文や与件文に埋め込まれている複数根拠を組み合わせたり、与件文全体を包括的に解釈する能力が期待されているわけではありません。2次試験で合格するために必要な想定力・解釈力は、「設問文や与件文の特定(1つ)の表現からの想定・解釈」で十分です。この出題者の期待する能力のレベルを知らないと、得点に貢献しない複雑怪奇な解釈のための無駄な時間を浪費することになりかねません。
実際に、X/Y/Zの3つの根拠から1つの結論を導くことは非常に困難ですし、その解釈が出題者の期待を外すリスクが高くなります。80分という制約条件は、試験問題を作問する側も十分に承知しています。
得点開示結果による高得点(75~80点)答案を分析すると、シンプルに1つの根拠から1つの解釈をした解答を作成していることがわかっています。
以上が2次試験で期待される「応用能力」の具体例です。1次試験をしっかり学習された方は、学んだ理論を上記のようにアウトプットできる力を磨きましょう。具体的には、過去問(平成25年以降がおすすめです)を使用して、設問文の解釈や与件文の解釈に取り組んでみてください。ただし、与件文の解釈は、「どの設問に対応するのか」という難しさがあります。まずは設問文の解釈から取り組んでみるとよいでしょう。
毎日1事例、必ず取り組んでください。同じ問題も、何度か繰り返すと解釈が変化していきます。
難関といわれる2次試験ですが、求められる能力は具体的です。日々の努力の積み重ねで、必ず到達できるレベルです。目的意識を明確にして、毎日原因を積み重ねましょう。