今年のB社を考える

えぐちです。

今日はB社について書きます。


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「今年のA社を考える」はこちら

<平成30年度試験版>
今年のA社を考える
https://www.ebatokyo.com/news/1970

今年のB社を考える
https://www.ebatokyo.com/news/1968

今年のC社を考える
https://www.ebatokyo.com/news/1390

今年のD社を考える
https://www.ebatokyo.com/news/1385



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B社はX市商店街に立地する完全予約制のネイルサロンです。

創業社長とYさんの2人で経営しています。

B社店舗は商店街中心部からは離れた場所にあり、立地面において劣位にあります。

また店舗スペースも狭いため、従業員を補充するなども困難です。

B社の利用顧客は、①デザイン重視の顧客と②住宅地からの近さ重視の顧客が半々います。

B社は既存利用顧客のうち①デザイン重視の顧客に対して、客単価を高めるための施策を検討しました。

B社社長は、初回来店時に、予約受付や確認のために、インスタント・メッセンジャーのアカウントを顧客に尋ねています。

このインスタント・メッセンジャーでは個別にメッセージを配信できることから、アカウントを用いて個別に情報発信することを検討しました。

検討の末、B社は自社が提供するオプションサービスの利用促進のために、社長の季節感の表現力を活かした季節感あるアート・オプションや、服に合わせてジェルネイルをデザインできる高い技術のデザイン・オプション、社長とYさんの装飾力を活かしたストーン・オプションなどを案内することにしました。

一方で、2019年11月に改装オープンする小型ショッピングモールに大手チェーンによる低価格ネイルサロンが出店し、これにより②住宅地からの近さ重視の顧客が流出することが予想されます。

B社は大幅に減少する顧客を補うべく、新規顧客を獲得するための新たなターゲット層の絞り込みと、顧客獲得のためのチャネル構築を検討しました。

B社が新たな顧客層として選択したのは、①商店街周辺の高級住宅地に住む(ジオグラフィック基準)、②デザインを重視する(サイコグラフィック基準)、③40~50代の女性顧客です。

その理由は、このターゲット層がX市において増加しており、B社社長やYさんの技術力やデザイン力が活かせ、近隣に出店する大手チェーンとの直接の競争を回避できるからです。

またB社は、新たな顧客層を獲得するためのチャネル構築のために、貸衣装チェーンと協業することにしました。

その理由は、協業先がすでにB社が新たなターゲット層とする顧客に到達していること、そして顧客の要望を聞きながら提案するYさんの接客力が、協業先が企画する予約会において高い評価を得ており、協業先にとっても価値のある協業となるからです。

こうしてB社は大手チェーンの出店を機に、自社の主要顧客層を見直して新たな顧客チャネルを確保することに成功しました。

協業を通じてトライアルを獲得した新規顧客をB社の顧客としてリピートしてもらうために、B社は新規顧客の初回来店時の施策を検討しました。

B社社長やYさんは、前の勤務先で培った提案力があり、初来店の顧客の要望に合ったデザインや顧客の期待以上のデザインを提案することができ、デザインに対する評価を得ることができます。

ジェルネイルの利用客は、特に初来店の際に、顧客の要望に合ったデザイン、もしくは顧客の期待以上のデザインを提案し、そのデザインに対する評価が高ければ、固定化につながる例も多いです。

この点については、B社社長やYさんは、前の勤務先で培った提案力を活かすことが可能です。

ただし、ネイルの利用客には言葉で伝えるのが難しいという顧客もおり、好きな絵柄や SNS 上のネイル写真を持参する場合も多くなっています。

B社のサービスは周辺の大手低価格チェーンとは異なり、デザイン重視の顧客に応え得るデザイン力・提案力・技術力があります。

しかし、トライアルを経験した顧客はいまだB社の正規サービスの利用経験がありません。特に言葉で伝えるのが難しい顧客に対して、ネイルサービスという無形財を扱う場合の工夫が必要になります。

そこでB社は、社長の高い技術力によりデザインしたネイル写真を予め用意し、サービスの可視化に取り組みました。

B社の強みを表現したうえで、社長とYさんのもつ提案力を活かしてサービス提供前にデザインの提案をしました。

これにより言葉で伝えるのが難しい顧客でもB社のサービスを知ってもらえるため、顧客の要望にあったデザイン提供を通じて高評価が得ることが可能になりました。

以上が今年のB社です。

平成29年度以降の事例Ⅱでは設問内の制約・条件が増えています。

出題者が埋め込む設問条件は、理論を想定したりB社の資源を特定するためのヒントでもあります。

しっかり設問解釈したうえで与件文を読みにいくことで、題意を捉えた解答作成はもちろんのこと、短い制約時間で高評価を得ることが可能になります。

例えば第3問(設問2)の設問をよく読んでください。

第3問(配点 50 点)
B 社社長は 2019 年 11 月以降に顧客数が大幅に減少することを予想し、その分を補うために商店街の他業種との協業を模索している。
(設問 1 )
 B 社社長は減少するであろう顧客分を補うため、協業を通じた新規顧客のトライアルが必要であると考えている。どのような協業相手と組んで、どのような顧客層を獲得すべきか。理由と併せて 100 字以内で助言せよ。

(設問 2 )
協業を通じて獲得した顧客層をリピートにつなげるために、初回来店時に店内での接客を通じてどのような提案をすべきか。価格プロモーション以外の提案について、理由と併せて 100 字以内で助言せよ。


上記設問で、「初回来店時」という文言がある場合とない場合で、設問解釈はどのように変わるかを考えてみましょう。

出題者の意図が透けて見えてきます。




「今年のB社を考える」への2件の返信

  1. ピンバック: 今年のA社 – EBA

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