協会評価と再現答案からみたA評価とB評価の違い(事例Ⅲ)

えぐちです。

今日は事例Ⅲについて、A評価者とB評価者の違いを考察していきます。

<分析データについての説明>
・再現答案の協会評価83名のデータを使用しています
・データには合格者は含まれていません
・平均点はEBA採点基準に基づく採点です

<事例Ⅲ>


上の表は、協会評価ごとのEBA採点基準に基づく平均点との関係です。

表から負の相関関係が読み取れます。

下の表は、事例ⅢのA評価者とB評価者の平均点を比較したものです。

第1問(強み)
 得点しやすい問題で、合格者/不合格者、A評価者/B評価者で差はありません。ただ、本問の処理時間が他の問題の処理時間に影響するため、時間管理の面で総得点に影響していると考えられます。

第2問(生産面の効果とリスク)
 得点差の大きい問題でした。効果とリスクを要素として記述できれば加点される問題であり、想定的に得点しやすい問題です。しかし、「生産面」条件を無視して売上増加などの効果を入れた解答も多く、得点差の原因となっています。

第3問 設問1(新工場の在り方)
 本問も得点差のある問題となりました。与件根拠は十分すぎるほどありますが、時間配分が難しい問題でもありました。設問2の生産管理面の問題との区別の差が得点に現れていると考えられます。

第3問 設問2(生産管理上の検討)
 合格者/不合格者の差はありませんが、A評価とB評価では差が出ています。本問は「後工程引取方式」というこれまでに出題実績のないテーマが出題され、かつ理論に基づくゴール(平準化生産や生産リードタイム短縮)の想定が必要な問題でしたが、これらの要素を記述できた解答は少なく、得点差の原因にはなりませんでした。
第3問は本問(生産管理上)とそれ以外(生産現場)の区別の差が得点差の原因となっています。

第4問(今後の戦略)
 やや得点差がついた問題です。本問は第1問の要素との関係で、得点機会の多い問題でしたが、これらの要素を十分に記述できた解答はそれほど多くありませんでした。C社の強みや弱みの指摘の有無で差がついています。

以上です。

次回は事例Ⅳについて考察します。


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