新型コロナウィルスの影響が拡大しています。
経済面への影響が大きく、株式市場はこれまでに経験したことがない規模で暴落しています。
金融市場のバブルが弾け、株価は本来の価値に収斂していくと考えます。
日銀によるETF購入額の規模が拡大しています。
3月に入ってすでに6,000億円以上購入しており、ハイペースで株式市場を下支えしていることがわかります。
(ソースはこちら)
日銀によるETF購入は2014年10月から増加しています。
2018年には6兆円を超えました。2019年は減少したとはいえ4兆円を超えています。
2020年は11週で1.5兆円ですので、このペースでいくと2018年の6兆円を大きく超える試算になります。
この図は2014年以降の日銀のETF購入額と日経平均株価の関係を表したものです。
EFT購入金額は【億円】単位、日経平均株価は【円】単位です。
特に2016年から2019年にわたり、両者は連動して推移していることがわかります。
こちらは月ごとにデータをまとめたものです。
2020年に入り、ETF購入額は増加していますが、日経平均株価は大きく下げています。
日銀は今後、これまで以上にEFT購入を増加させると思われますが、株価を支えることは難しいと思います。
EBAでは今月1日の講義から教室講座を休講にしています。
今月いっぱいは休講とする予定です。
教室講座の教材は郵送にて対応させていただいています。
教室講座を休講とする代わりに、講義のライブ配信をしています。
これまで2回配信しましたが、8割強の受講生が参加してくれています。
スライドの表示など改善すべきことが多くありますが、日々学習してよりよい学習環境を提供していきたいと思います。
2回目の無観客講義、もといライブ配信講義では、事例Ⅲの理論講義を行いました。
事例Ⅲは生産管理論を正しく理解していないと設問の解釈も与件の解釈も難しく、何を書いてよいのかわかりませんね。
事例Ⅲの事例Ⅰと似ているところは、与件の解釈(評価)に必ず理論が必要になるという点です。
特に最近では、設問のゴールとなる結論(C社の課題)が与件に明示されない問題が出題されるようになり、与件解釈の難易度を高めています。
例えば、令和元年度の第3問では、C社の課題は生産リードタイム短縮になりますが、与件にはそのヒントは少しも書かれていません。
また平成29年度の第1問も同様に、「これまで製造部では専任担当制で作業者間の連携が少なかったが、この新規事業では、機械加工班と製缶板金班が同じCNC木工加工機の部品加工、組み立てに関わることとなる。」というヒントから生産管理面の課題を想定させる難問でした。
このような課題想定系の問題が出題されるようになったのは、ここ数年の傾向変化です。
この変化に対応するためには、正しい理論のインプットと想定が必要になります。
ここで必要な理論は、それほど高度なものではありませんが、因果関係を正しく整理できないと、与件解釈で出題者の意図とは異なる根拠を掴んでしまうリスクが高くなります。
独学で学習されている方は、試験委員である木内正光先生の著書などを参考に、基本的な理論をインプットできるように鍛えましょう。
今回も、あなたの理論理解度をチェックするための、EBAの理論チェックテストを数問紹介します。正しく識別できるか、試してみましょう。
第4問
下図の解釈に関する以下の記述のうち、適切なものをすべて選べ。
停止は、刃物、治具の交換や加工前後の製品運搬、機械調整などの段取り作業を主な要因として生じている。また空転は、加工が終了し製品を脱着する必要があるとき、作業員の作業遅れによって設備が待っている状態により生じている。
ア 稼働率の改善は生産リードタイム短縮に繋がる。
イ 製品の着脱方法の標準化は段取改善に有効である。
ウ 次の加工に使用する刃物、治具を予め運搬しておくことで、内段取作業の外段取化が期待できる。
エ 加工前後の製品運搬は生産管理により改善できる。
第9問
下図に関する記述のうち、適切なものをすべて選べ
ア サイクルタイムは約130分である。
イ 後処理工程の改善により生産性が向上する。
ウ 生産ロットサイズを見直すことで生産リードタイムが短縮できる。
エ 鋳造工程の設備投資を強化することで全体の生産性が向上する。
第13問
下記に関する以下の記述のうち、適切なものをすべて選べ。なお、この部品の寸法規格値は7mmで、公差は上側0.000mm/下側-0.010mmである。また、図のABCはそれぞれ加工機械A、B、Cを表す。
ア x̄-R管理図の「 x̄ 」は、サンプルの平均値を表す。
イ この工程では作り直しが見られる。
ウ データから、バラつきの大きいサンプルと小さいサンプルがあることがわかる。
エ 最も効率的な対策は、機械Bの改善である。
第18問
後工程引取方式に関する以下の記述のうち、適切なものをすべて選べ。
ア 一定期間における生産量が同じなら、1製品あたりの生産回数は多い方がよい。
イ 親企業への納入ロットやパレットの収容数を考慮して標準生産ロットを設定する。
ウ 導入の際は生産リードタイム短縮が求められる。
エ 資材管理に関して、安全在庫は少なくなるため、厳格な納入管理が必要となる。
第22問
現品管理に関する以下の記述のうち、適切なものをすべて選べ。
ア 生産管理のIT化を推進するために貢献する。
イ 「フォークリフトによる製品の移動は、散在する仕掛品置き場を避けて走行している」から、仕掛品置場の集約化が必要だと解釈した。
ウ 「使用材料は、仕入先から材料倉庫に納品されるが、その都度納品位置が変わり探すことになる」から、使用材料の納品位置の指定が必要であると解釈した。
エ 「フォークリフトによる製品の移動の際、作業員が置場にある製品をパレットに乗せてから運んでいる」から、製品を予めパレット上に保管することを助言した。
いかがでしたか?EBAではこれらの問題を選択肢レベルに分解して、毎月繰り返し解くように指導しています。
ただ解けるだけでは不十分で、なぜ適切なのか、なぜ不適切なのかを説明できる必要があります。
はじめはストレスばかりですが、慣れてくると容易に識別できるようになります。
世界経済は暗い話ばかりですが、私たちが今できることに取り組み、自失することなく環境に対峙していきたいですね。
1日も早く新型コロナウィルスが沈静化することを願っています。
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