令和5年度のB社物語

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B社はスポーツ用品の加工・販売を営む企業です。球技用品、陸上用品、各種ユニフォーム、トレーニング用品、スポーツ関連用品などを販売しており、近隣の公立小中学校の体操服や運動靴も扱っています。B社は品揃えと提案力に自信のある野球用品をより専門的に取り扱っています。

B社と古くから取引がある各少年野球チームは、B 社の各種有名スポーツブランド用品の取り揃え、ユニフォーム加工技術や納品の確かさ、オリジナルバッグなどのオリジナル用品への対応力、子どもたちの体格や技術に応じた野球用品の提案力などを高く評価しており、チームのメンバーや保護者には、引き続きB社からの購入を薦めてくれています。しかし、成長に伴う買い替えや、より良い用品への買い替えも保護者には金銭的な負担となっていて、他の習い事もあり、買い替えの負担を理由に野球をやめてしまう子どもたちもいるということで B 社は相談を受けていました。

そこでB社は、プライシングの新しい流れを考慮し、このようなニーズに対してサブスクリプション方式による販売方法を導入しました。B社の強みである各種有名スポーツブランド用品の野球用具を定額で利用できるサービスです。B社は個人ごとだけでなくチーム単位でも利用できるようにして、定期的に一括納品できるようにしました。子どもたち一人一人の体格や技術、特性に応じた商品カスタマイズの提案力をより強化することができ、保護者の支出の痛みも和らぎ、B社は顧客の囲い込みが期待できます。

最近では、女子の軟式野球が盛んになってきました。しかし、女子の参加希望者はまだまだ少ないようで、どのチームも女子のメンバー獲得に苦しんでいます。そこでB社は、女子メンバー獲得に協力することにしました。幸いなことに、B社の店舗がある地域はすぐ近くには大きな河川があり、河川敷がスポーツ施設として整備され、野球場、サッカー場、多目的広場などがあります。近隣の強豪社会人野球チームがここを借りて練習しているということで地域住民の野球熱が高く、野球場の数も通常の河川敷に比べるとかなり多いです。

B社はこの立地に着目し、女子の軟式野球に興味がある人に向けたイベントを企画することにしました。近隣の強豪社会人野球チームの練習にあわせ、野球場を使用して軟式野球の体験イベントを開催します。B社は中学校の部活動にも対応できる品揃えがあるため、野球用品の貸し出しを請け負います。この地域は地域住民の野球熱が高いため、近隣の公立小中学校でポスターを貼ったりチラシを配布させてもらうことで参加者を集めることができそうです。B社にとっても、苦しんでいるチームを支援することで女子野球チームや監督に貸しを作り、女子向けの野球用品の提案力を高め、新規顧客としての女子チームの開拓が期待できます。

B社はまた、自社ホームページやSNS、 スマートフォンアプリを活用し、顧客との関係性強化を図りたいと考えています。1つは各少年野球チームの監督との密接なコミュニケーションを通じた関係強化です。B社は、チームやそのメンバーのさまざまなデータ管理を、スマートフォンを使ってできないかと相談を受けていました。そこで、ICT 企業に勤めている30代の長男のノウハウを活かし、スマートフォン向けのアプリケーションを開発しました。チームのスコア管理や練習試合などのスケジュール管理、メンバーの通算記録や練習の出欠確認などを管理できるようにしました。さらに、自社ホームページを見直し、メンバーや保護者を対象に、要望の情報把握や相談を受けた際のアドバイスへの対応ができる機能を搭載し、相談内容を他のメンバーも閲覧できるようにしました。

こうしてB社は既存顧客向けの販売強化と関係強化、そして将来の新規顧客の育成に取り組むことで持続的な成長を図りました。