平成30年度の2次筆記試験を題材にしたオプション講座「実践!合格答案作成ゼミ〜平成30年度版〜」を紹介します。
このオプションでは協会評価結果が明らかな83名の再現答案(うち得点開示56名)を元に、EBAメソッドで実現可能な70点答案の作成方法を解説しています。
EBAでは80分で作成できる70点答案を目標として指導していますが、毎年、100名以上集まる受験生の再現答案結果を詳細に分析することで、指導方針の検証と改善に活かしています。
今日はオプション講座で解説している題材のうち、事例Ⅱについて少しだけ紹介したいと思います。
これは56名の得点開示結果に基づくヒストグラムです。
平成30年度事例Ⅱの83名のA~D評価分布は下表の通りです。
データ分析から得られた情報を共有したいと思います。
高得点者(75点~82点)答案には「引用する与件根拠が共通する」という特徴があります。
例えば、第1問では以下の要素が共通していました。
このため、このような要素を確実に対応付けることができる能力を鍛えることが、80分で安定して70点答案を作成するために効果的な取り組みといえます。
また、高得点者に共通する要素が少ない問題は、対応しにくかった問題(難問)であったと考えられ、このような問題であることの評価や処理方法、時間配分などを意識することで、より効率的な時間配分ができるようになります。
以下は高得点者に共通する与件根拠をまとめたものです。
特に第4問は難問で、この問題の出来は全体の得点への影響が軽微であったと考えることができます。
昨年度の事例Ⅱは、すべての問題の配点は25点で等しいですが、難易度は全く異なります。
適切に難易度を評価した上で、優先順位付けして時間管理することが80分で70点を取るための条件になります。
昨年度の問題では、時間を掛ける価値のある問題順は、第2問→第1問→第3問→第4問となります。
特に第1問は150字の制約問題で3Cのうち「B社の顧客」と「自社」の根拠の特定に時間がかかる問題でしたので、この問題の処理順と時間配分は全体に大きく影響を与えています。
第4問は非常に解答のばらつきの大きい問題で、難易度の高い問題であったことが読みとれます。
本試験においてこのような問題をどのように扱うべきかを正しく判断するためには、設問解釈時点での適切な難易度の評価が非常に有効となります。
オプション講義では具体的な難易度の評価方法について、設問ごとに解説していきます。
平成30年度の2次試験の難易度評価から、令和元年は事例Ⅲが難化する可能性が高く、その対策が合否を分けると考えています。
オプション講義では各事例が平成29年度以前の試験と比較してどのように変化したかについてできるだけ詳細に解説しています。
70点という得点は相対評価の結果ですが、この結果は過去問分析から得られた対策により確実性を高めることができます。
2次試験まであと半年を切りました。
10月20日に自信をもって合格答案を作成するために、この連休を有効活用しましょう。