えぐちです。
本日は、EBAスクールにおける平成31年度2次筆記試験対策の内容のうち、事例Ⅲについて書いていきます。
昨日までの記事はこちら
【2次】平成30年度試験結果を踏まえた平成31年度のEBAスクールにおける対策①
【2次】平成30年度試験結果を踏ま/news/900えた平成31年度のEBAスクールにおける対策②
1.過去5年間の再現答案提出者の協会評価分布(事例Ⅲ)
※データは不合格者の分布で合格者は含まれていません。 ※母数はそれぞれ、H26(31名)、H27(57名)、H28(85名)、H29(85名)、H30(64名)です。 ※母数は昨日掲載のものと同じです。
2.事例ごとの対策(事例Ⅲ)
※平成30年度2次筆記試験のEBA採点に基づく採点結果と協会評価結果に基づいています。
【これまでと変わらないこと】
・生産管理、生産現場、経営戦略の助言問題を出題した
・1次理論知識を応用させる意図の問題を出題した
・経営戦略の助言問題で資源活用の助言問題を出題した(第5問)
【これまでと変わったこと】
・バリューチェーン理論の応用問題が出題された
①課題系問題を想定した対応力の向上
平成30年度の事例Ⅲは、平成29年度と比較して易化しています。
その理由は設問設計にありました。
平成30年度では第2問と第3問で「問題点と改善策」が問われましたが、平成29年度(第1問と第2問)では「課題と対応策」という設問設計でした。
問題点は「過剰在庫」や「段取り時間が長時間となっている」など、現状の良くない状態が与件に明示されます。
これに対して課題は与件文に設問に対応する課題自体が明示されない可能性があるため、その場合には課題自体を理論想定する必要があります。
平成29年度では第1問、第2問ともに課題を理論想定させる問題でした。
これに加え、平成29年度では課題を想定させる問題が複数出題されたことで、想定した課題が第1問、第2問のいずれに対応するのかを特定することが困難となり、難易度を一層高めています。
この設問設計上の違いが、平成30年度の事例Ⅲが易化した原因であると考えています。
今年度の事例Ⅲは難化することが想定され、平成29年度や平成27年度のような設問設計が予想されるため、このような問題への対応力を演習を通じて強化していきます。
②理論応用能力の強化
平成30年度試験における合格者と不合格者の平均点は、第2問と第4問で差がでています。
この2つの問題は、第2問は「生産現場」を、第4問は「生産管理」をそれぞれテーマとする問題でしたが、不合格者の平均点が低かった原因は、与件文の第13段落に記載された「段取り時間が長時間となっている」「置き場が混乱している」という2つの問題点を、それぞれ第2問、第4問のどちらに対応すべきかの判断ができずに両者を入れ子、もしくは両問に対応付けしたことが原因でした。
出題者は、1つの段落に複数の問題点(や課題)を埋め込むことで、どの問題点・課題がどの問題に対応するかを識別できる能力を試します。
EBAではこれを識別できる能力を中小企業診断士としての応用能力と定義しています。
今後も同様の意図の問題が出題されることが想定されますので、昨年同様に強化していきます。
また、1次理論を想定した応用問題も例年通りに出題されています。
平成30年度では「マン・マシン・チャート」「現品管理」の理論が出題されていますが、いずれも直前期の予想演習で出題しています。
今年度も引き続き1次理論を想定した問題の出題が予想されるため、直前期の演習問題で対応していきます。
③経営戦略レイヤーの問題における1次理論の応用能力の強化
平成30年度では経営戦略レイヤーの助言問題も進化しました。
具体的には、1次試験で出題されている「垂直統合」の理論応用が期待される問題が出題されています。
これまで事例Ⅰで期待されていた理論応用が、事例Ⅲの経営戦略レイヤーの問題でも出題されるようになったため、今後の演習問題における作問に反映していきます。
これまでの経営資源に着目するという制約と併せて対応力を強化します。